中古ピアノ選びについて
中古ピアノのご購入をお考えの方にいくつかお伝えしたい事があります。
【ピアノの寿命について】
私の工房に新しめのピアノを求めてご来訪されるお客様が多くなりました。
その理由をお聞きしますと新品のピアノを販売している楽器店の方から「ピアノの寿命は20年」と説明を受けられたそうです。
そんなことはありません!
もし、本当にそうだとしたら中古のピアノを販売している楽器店は詐欺まがいの商売をしていることになりますね。
ピアノはよほど管理状態が悪くない限り少なくとも50年以上は保ちます。(メーカーにも左右されますが・・・・)
私は何度も製造後45年以上経過したピアノを販売しましたが何の問題もありません。
今月の5月12日にお客様宅に納品させて頂いたヤマハのNO.U3で製造後48年経過しているピアノです。
*画像はお客様の許可を頂いております。
http://oshiropiano.blog.so-net.ne.jp/2015-05-13
【中古ピアノには癖が残る?】
「中古ピアノは以前使っていた人の癖が残っているから駄目だ」と言われる事があります。
私たち技術者は「人の癖」と言わずに「経時変化」と言っています。
「経時変化」→ピアノの場合、使用頻度に比例して起こるフェルトやスキンなどの摩耗や、湿気や乾燥など環境の変化により生じる全体的なずれ。
ピアノは使用すると当然何らかの変化は起こります。
しかし、それは整調や整音という基本的な作業で修正しています。
「経時変化」は使用頻度が高い程増しますが、大城ピアノで販売している中古ピアノはフェルトやスキンなどが摩耗している場合は交換して修正しています。
そのような事を確認されてから信頼できる楽器店で購入されると良いと思います。
【ペダルの内部の材料】
以前お客様から「ペダルの内部(長さ60cmの天秤と呼ばれる部分で、シーソーみたいな動きをする部分)の材料は鉄よりも木の方がいいのですか?」と質問された事があります。
はっきり言ってそれが木でできてても鉄でできてても音質やタッチには何の影響ありません。
むしろ木よりも鉄の方がシンプルで丈夫だと思います。
私の経験上、木の方は「経時変化」により雑音がする事が多いです。
その点カワイやヤマハのペダルの天秤は鉄で作られていますので安心ですね。